映画評論家

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密の映画評論家のネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

人とは違ったからこそ、全ての事を背負ってしまい、多くの人を救ったのにも関わらず、自身の欲しかったものはすでに無く、手に入れることはできなかった

死んで評価されても、当人には全く関係がないが、それでも私たちは彼が行ったことの難しさ、そして凄さを忘れないことくらいはできるだろう




最初の部分は映画の内側にいる人(警察官)と映画の外側にいる私、両方に投げかけているような言葉で一気に入り込めた

主人公はエニグマを解くという目的を達成したのにも関わらず、人の生き死にを決めたり、同僚の兄を助けない事を選択したり、裏切り者を知ってしまったり、その裏切り者に教えて良い情報と教えては行けない情報を精査したりと達成してから辛い責務を負わされることになってしまったのは酷く悲しいものであった

普通の映画ではただエニグマを解く事で終わりそうな所、この映画はそれを通過点とし、そこからエニグマを解いたとバレないように人の生き死にを決めていったという秘密までを表現してくれた事が素晴らしい事だったと思うし、実際には同性愛者というもう1つの秘密を明らかにされ有罪にされたということも重要だっだと思う。
何よりこれらが事実であるという事が信じられない

ただ、最後は駆け足感があったし、この内容をこの時間に収めるのは少し勿体無かったのかと思った
気持ちの良い映画では無いが、観てよかったと思える映画だった