このレビューはネタバレを含みます
戦争サスペンスもの（英独の頭脳戦）や第二次大戦秘話として期待して観ると少し物足りないのだが、そんな期待なんかどうでもよくなって、一人の男の壮絶な孤独感に圧倒される。
戦時中の巨大な計算機に対峙する主人公の姿と、戦後の自宅中での自作の計算機の前でうなだれている姿の対比を思い出すだけで、もう涙。
B・カンバーバッチは「名前を口に出して言ってみたい俳優」ではあったが、世間の熱とは裏腹に「ピンとこない俳優」だった。『シャーロック』を観ても、『スタートレック』を観ても。
しかし、まさか彼の演技で泣かされる日がくるとは。
ラストシーン、歓喜の中秘密書類を燃やす仲間とは別に、寂しそうに笑顔を浮かべる彼の顔が忘れられない。
＠TOHOシネマズ渋谷（３/14/2015）
