虚言癖の男に「ビッグ・アイズ」シリーズという絵の著作権を奪われた女性画家の実話。
正確には、著作権も富も名声も自由も尊厳も奪われている。
当時は男性優位社会であり「女性の絵は売れない」とまで言われる部分も含めてエグい話だった。
しかし「もしこの男がいなかった場合、ビッグアイズシリーズは世に出たか?」という可能性も考えてしまった。
絵そのものの価値ではなく、その絵を通して作られる虚偽のエピソードに大衆が関心を集め、評価されるシーンもある。
マーケティングにおいて「情報じゃなく物語が購買意欲を掻き立てる」「人は商品ではなく意味を買っている」と聞いたことがある。
本作はそれをよく表してると思う。
じゃあ絵ってなんだろう。