タバコの煙のように漂う、シーモアが醸し出す悲哀。(タイトルは大げさだけどね)
派手なスパイ映画は数あれど、カーチェイスもなく拳銃すら登場しない、ひたすら一人の容疑者を泳がせて更に奥にいる大物をあぶり出そうとするドイツ諜報員と、それが気に入らない同僚と、そもそもやり方が違うCIAの人間模様を描いた希有な作品。
国家のため世界平和のためとは言え、人知れず地味で暗くて胃に穴が開くような毎日、これがきっとリアルな諜報活動なのだろう。
シーモアの背中は、やるせなさと、怒りと、虚しさを語っていたように見えた。正義って、何だろうね。切ねーなぁ( ノД`)…