尿道流れ者

女神は二度微笑むの尿道流れ者のレビュー・感想・評価

女神は二度微笑む(2012年製作の映画)
3.0
インドが好きだっ!胃の中の物を全て吐きたおした思い出の土地、インド。そんな愛すべきお国が送り出す極上サスペンス。しかし、インドから遠く離れた欧米諸国ではさらに極上のサスペンスを多く生み出しているわけで、そこそこのドキドキをもって楽しめるものの、極上には遠い存在。このパターンか、結構面白かったなといあ程度。

しかし、なんか良い。まずは主演の女優さん。来世の離乳食はこの人のゲロが良い系美女。そんな極上の美女が妊婦として主演する。
インドは暑い!そんなインドの街中をフィールドワークよろしくお腹の大きな美女が歩き回る。すると汗をかく。妊婦と汗、良いですね。妊婦然としたゆるいファッションからのぞく胸元。良いですね。子供に向ける優しい笑顔。良いですね。妊婦的フェティシズムがびっしりつまっていて、たまらなかった。時折みせるしんどそうな顔も良い。

そんなピンポイントなフェティシズムはさておき、インドの街が凄く魅力的に画面に映っているのがとても素晴らしい。華やかさではなく、汚さをともなった、暮らしを感じる街並み。豊かではないし、雑然としている。しかし、そこの生活感というものは散らかった部屋にあるような安心感とか、久しぶりに開けた引き出しにあるような面白味がある。それが画面の隅にでも常に存在し、時には主役となり、画面に一層雰囲気をもたらす。ただ切り抜かれた画面ではなく、そこに奥行きがあり、映画館の座席から遠いインドまで地続きに感じられる。そして、最後には華やかな祭りでしめる。綺麗な衣装や豪華絢爛な飾りなど、本筋を見失うほど目移りさせられる。サスペンスとしてではなくインドを歩く映画として、また大画面で観たい映画。