猫脳髄

殺人ワークショップの猫脳髄のレビュー・感想・評価

殺人ワークショップ(2012年製作の映画)
3.5
同棲する彼氏から見下され、執拗に暴力を受ける女優志望のアキコ。ひとしきり暴力を受け憔悴する彼女の携帯に「あなたの周りに殺したい人はいませんか?」という「殺人ワークショップ」を名乗る不可解なメールが送られてくる。

半信半疑でワークショップを訪れたアキコは、江野(宇野祥平)を名乗る関西弁の男とともに、5人の男女が参加していることを知る。江野に促されるまま、それぞれの殺したい相手とその理由を語り、いよいよ殺人の訓練に移るが…「オカルト」(2008)が脳裏に焼きつく宇野祥平の怪演を堪能できるサイコスリラー。

白石晃士が講師を務めた映像俳優コースのワークショップで製作されたそうだが、宇野以外の主要登場人物がほぼ無名なため、モキュメンタリー形式を取らない作品ではあるが、生なましさが漂う。相変わらずの安普請もリアリティを醸しだす不思議。殺人という禁忌を扱いながら、登場人物の解放と成長物語に転調させた展開も面白い。
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