【過去に観た映画】2015.6.18
原作は「さよならを待つふたり」という小説。
不治の病にかかった若い男女の青春ラブストーリというと、かわいそうな悲恋ものだと思うが、それだけじゃない
骨太で、しっかりした脚本と大展開に圧倒された。
恋愛だけじゃなく、家族ドラマ、友情、生きざま、死の捉え方、物語を紡ぐこと、
など沢山の要素が盛り込まれ、でも説教臭くなく、ユーモアあふれ、めいっぱい泣かせてくれる。
互いの大好きな本を読み会うことで、惹かれあっていく二人の気持ちの揺れをとても丁寧に描いていく。
限られた時間の中で、ストレートに言動で愛を示す“18歳童貞義足男子”と、はにかみながら、時には強がり、少しづつ愛に寄り添っていく酸素ボンベを抱える“ポンコツな肺の女子”。
「ずっと」って言いあいながらも別れるカップル。
でもこの二人は「OK?」と、いつも“今”を確認し合う。
人は本当に悲しい時は悲しすぎて泣けないものである。
でも、映画の中の人物に寄り添え、愛おしく、切なく、涙が止まらなかった。
「0と1の間には無限の数がある」
「あなたを失うことは地獄の苦しみ。でも人は苦しみに耐えて生きられるの」
「あなたは、私に永遠をくれた。限られた日々の中に。それを私は永久に感謝します」
数々の台詞が、心にしみいる。
自分の中のいろんな問題や思い出と重なり、余計に涙があふれた。
浄化するかのように思う存分に泣いた。何せ、観客は私、独りだったから、泣き放題、化粧崩れ放題。