西村賢太が生きていれば…と何故だが思わずにいられず、西村賢太主演で日本リメイク出来たらさぞかし傑作になったであろう気がする。けつあなな確定映画だし、あのブルーのブーメランパンツは『春画先生』の柄本佑の元ネタでは?逃避の映画と観ると色々見え方が変わってくるかなと。男性的なヒロイズムに囚われ「普通」の幸福に憧れる弱者男性が一時夢見た現実逃避の妄想と捉えるとこんな虚しい話はないが、結局はそこからも逃避し彼は自分のセクシュアリティの中で安寧を手に入れる、荒唐無稽であるが切実。ただもうあの巨体をゆっさゆさしながらの爆走はただただ滑稽だし、ショーン・ベイカーで言えば『レッド・ロケット』みたいな話だが、何故だがあちらよりは好感度が高い。行為は常に寸断され絶頂には至らないし、最初に境界線の話が出てくる様にそれを跨ぐ映画なのかもしれない、その狭間にある森。