尿道流れ者

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-01 口裂け女捕獲作戦の尿道流れ者のレビュー・感想・評価

3.0
コワすぎ!シリーズの記念すべき第一作目。シリーズ物の重要なことはその作品の面白さはもちろんだが、レギュラーメンバーの魅力に惹かれるかどうかだと思う。このシリーズは登場人物の工藤ディレクターの向こう見ずな暴れっぷりを気に入るかどうかが好きになれるかの分かれ目で、その暴力性・無謀さはとても非道徳的なものなので皆が皆好きになれるキャラクターでは無いが、このアクの強さに惹かれる人は結構多いんじゃないかと思う。シリーズを重ねるごとに工藤ディレクターの暴力的ではない部分も見えてきたり、強気な態度とビビる姿のギャップに可愛さを感じたりとどんどん好きになってしまう。

一作目は口裂け女捕獲作戦というさっそくの無謀さではじまるが、次作以降の流れを決定づける理想的な一作目になっている。登場人物の関係性が冒頭の会話ですぐに分かるし、この監督特有の気持ち悪さや怖さもチープながらもしっかりとでていてすぐに引き込まれる。ホラー映画に良くある強引さやほころびが、この映画では工藤Dの凶暴性ゆえ引き起こされているものとして処理されるので、不思議とすっきり受け入れられる。

このシリーズはホラーとしての怖さよりも笑いの部分がとても強くでていて、ホラーのそういった一面を受け入れられるならとても楽しめると思う。情報提供者や呪術師でもおかまいなく殴る工藤D。口裂け女を金属バット片手に追いかける工藤D。探せば面白い点はいくつも出てくる。しかし、次作以降に比べればまだまだおとなしく、タガが外れてないのでまだまだといった感じ。