前作で手に入れた呪いグッズを使うことで霊と戦うというこのシリーズの定番の形が今作からはじまる。この呪いグッズは万能で、手に巻きつけて霊的なものを殴ったり、除霊に使ったりもする。都市伝説的な怪異を扱った前作とは違い、廃墟に現れた霊を調べるという内容でホラー感が増している。廃墟に潜入してからの映像はとても怖く、音の使い方がとても素晴らしい。ただ普通のホラー映画にならないのがこの映画の凄いところで、工藤Dの暴れっぷりは前回に増して酷く、もはや霊がかすむ怖さを見せる。除霊シーンはホラー映画史に残る革命的映像で、根拠のない除霊理論を振りかざし、最後は強めの暴力で解決するという危なさ。しかし、笑える。だから凄い。
後半の行方不明になった女を巡る調査とクライマックスのシーンは素晴らしくて、単なるホラーとしては終わらない。鬼やあっちの世界など謎を残して終わり、シリーズへの興味がますます高まる。
ホラーは怖いものという枠に収まらず、その常識を逆手に取りながらも題材の面白さは損なわないという挑戦的なホラー映画。
