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アクトレス 女たちの舞台のKUBOのレビュー・感想・評価

アクトレス 女たちの舞台(2014年製作の映画)
3.0
今日の試写会は「アクトレス」。ジュリエット・ビノシュ、クリステン・スチュワート、クロエ・グレース・モレッツ共演で話題の作品です。

老けを気にし始めた大スターのベテラン女優マリア(ジュリエット・ビノシュ)が、20代の頃当たり役だった戯曲の再演への出演を頼まれる。ただし役は当時の若い主人公ではなく、その主人公との憎愛の果てに自殺する年上の女性の役。かつて演じた主人公は新進気鋭のジョアン(クロエ・グレース・モレッツ)が演じるという。マリア当人は乗り気ではなかったが断れずに引き受けることになる。

マリアの個人秘書ヴァレンティンに「トワイライト」シリーズのクリステン・スチュワート。中盤過ぎまでこのふたりのシーンがほとんど。二人芝居のセリフ合わせのシーンなので、芝居のセリフが女優と秘書というふたりの親密な関係にも重なって、練習なんだかリアルなんだかわからなくなる演出がすごい。

「X-MEN」的な映画をバカにするマリアにクリステン・スチュワート扮するヴァレンティンが意見を言うシーンがある。「特撮映画でも人間を描く芝居は大切だ」という趣旨のことを言うのだが「トワイライト」出身だけに、これもリアルに重なって面白い。

なかなかに難解な作品ではある。見終わって簡単にわかるような答えは提示してくれない。ただどこまでも美しいスイスの風景をバックに新旧の名女優のバトルを見るのも悪くない。
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