Itsu

フューリーのItsuのレビュー・感想・評価

フューリー(2014年製作の映画)
3.0


ブラピ最高傑作はちと言い過ぎ。断然ファイトクラブの方がいい。

WW2下での話。米戦車フューリーの指揮をとるブラピ演じるドンは、4人の部下とともに数々の局面を切り抜けてきた。ドイツ上陸後に部下の1人を失ったフューリーの一団に加わったのは、情報部に所属し戦闘経験のなかったひとりの青年だった。その青年ノーマンは、進軍していく中で出会いを別れを知り、戦争の悲惨さを思い知る。そして用地となる十字路に差し掛かった時、フューリーの一行は重大な局面を迎える。

戦争ものが苦手だと判明。正義もクソもない戦争で、少しでも善悪を生み出して描こうとしているのが臭すぎてたまらない。確かに戦う男達の姿勢はカッコいいの一言だったし、ナチスら枢軸国が世界の悪役だったことは周知の事実。それでも殺し自体の悪は変わらないけど、最後もわりと無理やりに善悪を対照的に描いていて少し萎えた。これが戦争に対する皮肉だったとしたら、一本取られたな…。

ただ唯一トリハダがだったのがラストシーン。死ぬのが怖い、と言ったノーマンに、俺も怖いと返したドン。戦車からひとたび顔を出せば殺される。降伏しても悲惨な未来が待っているだけ。弾薬も切れ、待つのは死のみ。この絶望的な状況は、観ているこちら側にも絶望感を伝染させます。本当に怖く感じた。何もみんな殺したくて戦争をやってるわけじゃない。悔しさすら感じるほどトリハダがたちました。

アルゴもそうだけど映画に対して期待しすぎるのは良くないかもしれない。勝手に頭の中で想像しすぎるとせっかくの映画を台無しにしかねない。
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