歩葉戸路素

紀元前1億年の歩葉戸路素のレビュー・感想・評価

紀元前1億年(2008年製作の映画)
5.0
あの『トランスモーファー』のスタッフが放つZ級ハードSF映画。
アサイラム×グリフファースト監督という黄金バッテリー。

モックバスターの寵児、『ゴーストシャーク』『シャークショック』や『スパイダーシティ』や『新アリゲーター』などなど…数々のゲテモノ名作を撮ってるグリフファースト監督ですが、そんな彼も時々失敗を犯します。

この映画には『タイムマシン』『フィラデルフィア事件』『恐竜』『タイムパラドックス』と沢山のワクワクする要素があります。
特に序盤、昔タイムマシン事故で恐竜時代に飛ばされた人物が壁に書いたメッセージが発見される場面とかめっちゃ鳥肌立ちました。
(これ…もしかして名作じゃね…?)
その後、タイムマシンの設定や量子力学を交えたSF論とか本当ワクワクが止まりませんでした…
しかし恐竜時代へ到着した辺りから嫌な予感がします。
よく言われる恐竜のCGが超しょぼいという問題ですが、自分は気になりませんでした。
それより、あり得ないほど暗い夜のおしゃべりシーンが延々と続く辺りから『やべぇかも…』ってなりましたね…
主人公達は何とか切り抜け、遭難者も発見されて現代に帰って来ますがこの辺りから確信にかわります。
(え?クライマックスっぽいシーンなのにまだまだEDまで時間あるんだが…)
みたいに焦ってると何と恐竜時代から肉食恐竜がタイムトラベルしてきます(笑)
そこから『夜の都市の環境映像』と『主人公が恐竜を追跡する場面』が交互に入れ替わるグダグダなシーンが延々と続きます。
ずっと続きます…ずーっと続きます…
それと、とにかく画面が暗いのです。何が起きてるのか鑑賞者は想像するしかありません…
一応ラストにはオチらしきものがありますが何かどうでも良くなります(笑)

でも映画内のタイムマシンの設定とかフィラデルフィア事件を絡めた小話とか過去からの壁へのメッセージとか非常に切り捨てるのが勿体ない要素が多々あります。
アサイラム直伝の使い回しをやってもいいですから『画面明るくして』『恐竜抜き』でもう一度リテイクしてくれませんかね?
監督の毎度のトンデモ設定が活かせる舞台だと思うので…

冗談抜きでグリフファースト監督の次回作めっちゃ期待してますので満点にしました。
歩葉戸路素

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