「0.5ミリ」というタイトルに、「死ぬまで生きよう、どうせだもん」というコピーがなんとなく気になって映画館へ。
見栄も外聞もなく、時に厚かましく時に優しさに満ちて、必死に軽やかに、他人に縋り他人を救い上げるサワ。
自分自身に「生産」性を持たない彼女は、けれども得意の手料理の温かさやちょっとした声がけによって、今にも道を踏み外してしまいそうだった人たちの心を緩めて、ぐいぐいっとばかりに軌道修正の手助けをしてあげる。(どんなときでも衣食住をきちんとできる人は強い、というのは他の作品に出てきたことですが、ふとそんなことを思い出したり)
サワには失ったものや持たないものも少なくないかもしれないけど、人に与え与えられ、逞しく危なっかしく生きる彼女の姿は少し羨ましくもあり。。
安藤サクラさんはじめ、「介護」される側のご老人を演じられるベテラン俳優陣ほか、みなさんなんともユーモラスで切なくて哀しくて。
3時間17分、不思議とその長さを感じさせない作品でありました。