土平木艮

マジック・イン・ムーンライトの土平木艮のネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

あらすじ…1928年のベルリン。主人公の手品師スタンリーは『中国人ウェイリンスー』を名乗りマジック公演中。舞台裏ではスタッフ達を怒鳴ったり嫌味を言ったり、理論派だけど傲慢で嫌な奴→幼馴染の手品師ハワードが楽屋訪問。『知人の資産家母子が占師に騙されてる。トリックを見破って欲しい』との依頼→婚約者との旅を延期し、南仏へ向かう→母同然の叔母を訪ねた後、資産家の屋敷へ→家の娘とその夫に会う。『弟・ブライスと母・グレースが騙されている』とのコト→ブライスは占師にゾッコン、グレースは交霊会で亡き夫に会えると大喜び→その後、占師・ソフィとその母に会う。会うなり『ドイツ』『中国』と言った言葉を口にするソフィ。まだ疑ってるスタンリー→交霊会に向かう途中、ソフィと話す。叔父の溺死を言い当てられる。驚くスタンリー→交霊会、亡き当主の霊を呼び寄せ、『音1回でイエス、2回でノー』の方法で霊と対話するソフィ。更にローソクが空中浮遊、手に取ったハワードも『トリックは無い』と驚く。訝しむスタンリー→翌日、ブライスとの約束まで時間のあるソフィを、叔母の家に招待→到着後、ブライスへの連絡のため電話を借りるソフィ。その後、叔母の過去を言い当てるソフィ。完全に信じ込むスタンリー。『明日、新聞記者を呼んで会見を開く』と言い出す→屋敷へ帰る途中、車が故障。雨にも降られてずぶ濡れ→近所の古い天文台に駆け込み雨宿り。そこはスタンリーの思い出の場所。天文台から見える雨上がりの月を眺める2人→屋敷へ戻る。ダンスパーティーで踊る2人。その後、ソフィに『私をどう思ってる?』と聞かれるが、相変わらずの愛想の無い変人的な回答。立ち去るソフィ→翌日の記者会見。ソフィの能力を証言、絶賛する。そこに叔母の交通事故の報せ。病院へ急行→手術の成功を『したことも無い神頼み』で祈ろうとするスタンリー。しかしここで『やはりおかしい。騙されている』と思う→手術は成功。屋敷に戻り皆に報告→皆が去った部屋で話すソフィとハワード。二人はグルだった→その話を聞いていたスタンリー。ハワードは『幼時からの劣等感・嫉妬からスタンリーを騙したかった』、ソフィは『生活の為にハワードの企みに乗った』。口論の末、立ち去るスタンリー→叔母、退院。迎えに行った後、家で話す2人。明らかにソフィに惚れているスタンリー→ソフィはブライスの求婚を承諾→スタンリー、ソフィに『自分と結婚してくれ』と伝えるが、相変わらずの変人振りで喧嘩別れ→バーでハワードと話し和解。婚約者とは電話で別れた模様→叔母の家でぼやく。『ソフィが合図をくれたら攫って来たのに』と独り言するとノックの音が1回。『結婚してくれないか』と話すとまた1回。振り返るとソフィが居た。




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『エマ・ストーン祭り』第三弾。

今作は主演級で占師役。


『オシャレな雰囲気』の『会話劇』。
こういう作品を観ると『英語のヒアリングだけでも出来たらなぁ』と思う。


字幕だけど、テンポの良い会話劇の楽しさは伝わる。

1920年代の南仏が舞台。映像もBGMもクラシカルでオシャレ。そこだけでも楽しめる。


スタンリーが捻くれ者。皮肉屋だし嫌味だし。
『今までの人生でこういう奴、いたわ〜』って感じ。私的には『こう言う人間にはならないようにしよう』と心掛けている、正にその典型的なタイプの人間。
なのでスタンリーには全く感情移入せず、と言うか『常にスタンリーと反対の感情を抱きながら』という今迄になかった鑑賞パターンになった。
スタンリーが疑ってる段階では『信じてる』、信じ始めた段階では『疑ってる』。ややこしいパターン。
なので、スタンリーが見破ったトリックには『全く気付かなかった』。結構、驚いてしまった。ありきたりな展開なのに。


話の筋としては平凡かも。ラストの展開も強引に感じる。
エマ・ストーンの演技が『当時の雰囲気を感じさせない』等の批判的な見方もあるらしい。

でも、『何となくオシャレ』で『テンポの良い会話劇』として、観てて楽しい気分になれる作品。

主人公に感情移入せず『引いた視点』で観られたから、第三者として笑いながら観ていられた。




エマ・ストーンが『男性と2人で天文台に向かう』場面は、『ラ・ラ・ランド』を連想した(こっちの方が古い)。



恋愛も手品も、『疑って否定的に見るか?信じ込んで魅了されるか?で、見え方が180°変わる』ってのが言いたかったのか?


時間も100分無いので、軽い気持ちで楽しめば良い作品だと思う。

面白かった。
土平木艮

土平木艮