天下の超かぼちゃ王大将軍

エージェント・ウルトラの天下の超かぼちゃ王大将軍のレビュー・感想・評価

エージェント・ウルトラ(2015年製作の映画)
3.7
「総合点は高い・・・が、もうちょいスパイス欲しい」

今更ながら、最近注目しているジェシー・アイゼンバーグのアクション映画。

予告では比較的コメディ色強めに演出されてたけど、
観てみると、割とシリアス寄り。

その辺、割とギャップがあるかもしれない。

田舎に住む冴えない男が、
ある切っ掛けで眠っていた戦闘員の能力に目覚め、
迫り来る暗殺者を次々倒していく。

なんだろ、映画をパラメータで表現した場合、
全ての能力がまんべんなく高いものの、突き抜けた所は無い感じかなぁ。

面白い、んだけど、もうちょい、パンチ欲しいよね。

■「アクション!・・・そこそこ、ドラマ!・・・そこそこ、笑い!・・・足りない」

レビューがちょっと難しい映画と言うか、
ほんと、悪い所は特に無かったと思う。

アクションも良かったし、割とシリアスな物語も悪く無かった。
所々笑える部分もあるしね。

ただ、それぞれが、100点満点中、75点くらいというか。

アクションも、雰囲気はいい。
けど、心アツくなるほどの格好よさがイマイチ足りないというかね。
観てて「おぉ~!」って感じが無いっていうかね。
ありそう!って思わせるところまでいくんだけど。

ドラマも、シリアスな部分で、泣かせそう!って思わせる所があっても、
足りないっつーか。

寸止めまでも行かないんだけど、それぞれに雰囲気がある分、
美味しいけど、一味足りない、みたいな感じで終ってしまった感はある。

■「流石ではあるけど、人間味感じないジェシー」

ここ最近、今更だけど割と注目しているジェシー・アイゼンバーグ。
格闘アクションっていう新境地やけど、割とそこそここなしていた。

ただ、役の性質もあってか、マッチョにはならずね。
ほっそいオタク男子みたいな感じのままではあった。

その分、アクションでも魅せきれてはなかったかな。
もうちょい、トレーニング含めて本格的にやっても良かったんじゃないかと思う。

また、辛口な話ばっかりになるけど、
本作の主人公って、もうちょい人間味が必要だったように思える。

なんだろ。
普通の人間が、突然覚醒して殺し屋になるって話だし、
むしろ見る側が共感しやすい感覚を持つ主人公が必要だった気がする。

けど、本作の主人公は割と独特な人間に完成されてたっていうかね、
ジェシー自体、ミステリアスって言うか、
何考えてんだか分からない人間演じる事に長けてるけど、
本作もその独特な演技が先に出過ぎてた気はする。

悪くはないんだけど、なんか違うってかね。

むしろ、不倫愛を経て、一時期、前線から降りてた感じがするクリステン・スチュワートの方が、割と人間味感じるイイ演技してたと思う。

能面女優のイメージ強かったけどねw
見直したというか。

■「この手のジャンルに慣れてない人向け」

この手のジャンルの映画に慣れてる人にとっては、
多分色んな傑作が心の中にあって、割と高いハードルを求めて観てしまうと思う。
予告のイメージが悪く無かっただけに。

そういう人は、あまりハードルを上げ過ぎずに観て欲しいかな。
私はちょっとハードル上げ過ぎた分、物足りなさの方が最後に残ってしまった。

逆に、あんまりスタイリッシュな格闘アクション映画っていうか、
アクションコメディ映画観ない人にとっては、
割と普通に楽しめるんじゃないかなとは思う。

アクション演出だけ、もうちょい頑張ったり、
もしくはドラマ部分でもうちょい切ない感じ、泣かせる感じがあったり、
どこか突出した部分があったらもっとスッと気持ちに入ってきたんやけどね。

何にも悪く無い分、だいぶ惜しい映画だった。