bluemercenary

裁かれるは善人のみのbluemercenaryのレビュー・感想・評価

裁かれるは善人のみ(2014年製作の映画)
3.8
原題は[LEVIATHAN]
リヴァイアサンは怪物≒個人が太刀打ちできない国家の比喩。

冒頭から引き込まれて圧倒されっぱなしなんだけど、あまりに無慈悲すぎる内容。
普通に家族暮らしていたいだけ――そんな普遍が権力という暴力の前では意味をなさない。
圧倒的な不条理の前に救いなんて言葉は無いし、神の存在なんて認めようが無い。
劇中で神父は「神はちゃんと人間の行いを見てる」と云う。
せめて無力な人間の慟哭くらいは聴いていて欲しいかなと思う。

余りに残酷な人間社会と対峙するのは静謐で美しい自然。
どちらもリアルすぎるから鑑賞後、感情が混沌とする―――俺様だけかな。
bluemercenary

bluemercenary