柏エシディシ

マップ・トゥ・ザ・スターズの柏エシディシのレビュー・感想・評価

2.0
クローネンバーグ先生の新作。
ウーム、個人的には、消化不良です。
結構、映画好きの知り合いの中では、割と評判良かったので期待していたのですが、、。

名作「サンセット大通り」を想起させる、所謂ハリウッド内幕ノワールの系列に連なる作品ですが、クローネンバーグが撮った必然性や独創性が、あんまり感じられず。

同じ様な題材であるリンチの「マルホランド・ドライブ」の様な、禍々しくも美しい映画を期待していたのですが、ハリウッドセレブな登場人物達に感情移入出来ず、世界観にはいりこめませんでした。

目の前にある世界が、薄皮一枚を隔てて隠している闇や狂気。それが現実的に、肉体的にも現前し、世界の在り方自体を歪ませる。
クローネンバーグの映画には、そんな瞬間が体験出来る事を期待しているのです。

落ち目のハリウッド女優をメタ的に演じたジュリアン・ムーアの怪演は確かに凄いんですが、ジュリアン・ムーアの実力を持ってすれば、想定の範囲内でした。このヒトはもっと凄いよ。

お話自体は、クローネンバーグ作品の中では分かり易い部類。
もっと強烈なのを期待してしまう、M気質のクローネンバーグファンには物足りないと感じるか、新機軸として楽しめるか、で評価が分かれるトコでしょうか。
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