ロル

Mommy/マミーのロルのネタバレレビュー・内容・結末

Mommy/マミー(2014年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

グザヴィエ・ドランの作品が大好きだ。
画面の横幅を展開で変えていた。特に音楽がかかり、ロングボードにのったスティーヴが両手を広げるシーンが好きだ。

直接的な描写をせずに何となく察せられるの良い。
こういう絶妙な描写で展開や心情や関係性が浮き上がらせるのが上手い。

もちろん俳優の演技も素晴らしすぎる。ほんとの日常を切り取ったかのような場面ばかり。

ADHDとはいえここまでなるのだろうかとは疑問だった。父親の存在感がほぼ無かったからまさしく母を題材にした映画だなと。



最近、友達ってなんだろうと考えることが多い。一人暮らしを初めて今年で4年目。
家族のことを考えることは全くといっていいほどなくなった。
代わりに友情とはなんだろうと考えるようになった。
この映画は私に久しぶりに家族について考えさせてくれた。
普通の人生を送ることが出来なかった私は、よく泣いて叫んで家族とぶつかってばっかだった。その頃を思い出した。

入院のあたりとか。スティーヴの電話、ダイアンとカイラの会話に泣いた。



希望、可能性。

「この世界に残された希望は
ごくわずかよ
でも諦めない人たちがたくさんいる
諦めなければ何かを変えられる
もし希望を捨ててしまったら
未来はない
すべて自分の選択
そう信じれば未来は開ける
私は負けない
何があっても
自分もみんなも幸せであるように」



強がりも痩せ我慢も強いひとにしか出来ないのだと思う。
グザヴィエ・ドランの映画は私に何かを与えてくれる。彼が監督の引退を表明したのは、伊藤計劃が若くして亡くなった事を知って以来の衝撃だった。
ロル

ロル