哲学的で芸術的なドキュメンタリーのような家族ドラマ。
文字にすると陳腐だけど、どんな映画？と尋ねられた時に、これほど伝えることが難しい作品もなかなかない。
お涙ちょうだいな物語でもない。
あらすじを話しても他の作品との差はピンと来ないだろうなぁ。
二人きり二人だけで生きていかなければならない世界。
もし自分と我が子が同じ立場だったら。
想像もつかないし、投げ出さずに愛を与え続けられるだろうか…
自分や周りとかけ離れ過ぎていて、ファンキーというかクレイジーなところもある母親に感情移入しにくい部分は正直あったけれど、これがちょっと小綺麗な真面目そうな母親だったら、きっとただ辛気臭いだけの仕上がりになっていたかも。
陰鬱な雰囲気は漂ってはいないものの、真綿でジワジワ締められるような、何とも言えない苦しさを感じる。
ラストは様々な解釈ができそうだけど、、、私は笑顔になれる結末ではない解釈。
