JTKの映画メモ

Mommy/マミーのJTKの映画メモのレビュー・感想・評価

Mommy/マミー(2014年製作の映画)
4.8
今年のベスト決まってもうた。(これ言うの3回目w)

この映画が一言で言うと「発達障害の息子と母の愛情物語」ということは予告を見て知っていたんで、そういう材料は料理しだいでクサくもなればクドくもなればクソ不味くもなるので敬遠してたのだが、呑み屋の常連さんが薦めてくれて試しに観たところアタリもアタリ大当たり。心動かされて3回も泣いてもうた。しかしながら既に映画で語られた登場人物の「心」とか「心情」とかはどうでもいい。そんなわけわからんものは。それより語られ方、語り口にこそ、その作家、その作品の面白さがあるという意味で、この若干26歳グザヴィエ・ドラン(美形、おまけにゲイ)監督凄いわ。音楽の選び方使い方、画面の構図、1:1のスクリーンの画角がOasisの「Wonder Wall」とともに左右に広がるとこなんか鳥肌が立ったもんね。まだこの作品しか観てないんで過去の作品も俄然観たくなった。これ書きながら思い出したけど、以前伊丹十三監督のメイキングかなんかを観てたら、一生懸命心情めいたものをクサめに演技する俳優さんに「余分なことやらなくていいんだよ!ココロなんか画面に映らないんだから!」と。だから面白いんだ伊丹十三監督の映画は。余談はさておき。こういう作品、他の表現形態ではなく映画でしか成し得ない表現を瑞々しくも大胆にかつ見事に成立させてしまうものに出会うと、もう嬉しくて仕方がなく、ますます映画が好きになってしまうのです。