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Mommy/マミーのdxdxdのレビュー・感想・評価

Mommy/マミー(2014年製作の映画)
4.5
【俺たちもまた正方形の中で四苦八苦している】

デビュー作「マイマザー」と同じく母への愛、母性、母親がテーマという原点回帰的なのが今作。

特に今作はインスタグラムのような1:1の画角印象的。主人公スティーヴはADHD(多動性障害)、母ダイアンは極めて感情的、そして二人と出会う隣人のカイラも吃音持ちの心に傷を抱えた人物で、それぞれのっぴきならない事情を抱えている。そんな課題山積みで、視野が狭くなり、自意識ばかりが発達する心象を正方形の画角で表しているかもしれない。

そういう心象を持つ人だからこそ傷つけ合い、ぶつかり合う。でも、ある瞬間、画角が広がる時がある。文字通り世界が広がり新しい人生が始まる予感を感じさせる。その時の多幸感と言ったらもう。こういう瞬間を見たくて映画を観ているかもしれない。

そもそも、誰もが自意識ばかり強くなって正方形の画角の中に囚われ、四苦八苦している。1:1の画角をこじ開けなければならないのは自分たちの方だ。
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