このレビューはネタバレを含みます
大好きなドラン監督が描く母と子の『愛』の物語。
「まだ僕たち愛し合ってるよね?」
「私たちにはそれしかないでしょ」
愛しかないのに。お互いがそれをわかっているのに『希望』のためにとるべき選択肢は残酷で悲しい。
ダイアンがスティーブと離れる決断をしたのは、一緒にいるとスティーブを傷つけてしまうとわかったから。その想いがあるのにスティーブには伝わらない。車を降りてからのシーンに胸が張り裂ける。
画面比の変化と音楽の使い方のセンス、人物に近づいて映し出す表情などは圧巻。
ドラン監督の描く、純白で歪な愛の形にいつもハッとさせられる。