ジジイ

サンドラの週末のジジイのレビュー・感想・評価

サンドラの週末(2014年製作の映画)
4.0
ダルデンヌ兄弟監督作品。2014年。体調不良で休職していたサンドラ(マリオンコティヤール)が工場に復職しようとすると突然、解雇を言い渡される。社長に直談判して何とか週明けに、社員に提示されたボーナスをやめる代わりに彼女を復職させるかどうか、の再投票を行う約束を取りつけるが…という物語。面白かった。週末の二日間に同僚宅をめぐり、ひとりひとりを説得して回るサンドラの一喜一憂を静かな眼差しでカメラが追っていく。ボーナスの1000ユーロは当時のレートで14万円くらいだろうか。各々の置かれた立場が理解できるだけに、自分ならどうするだろうかと考えながらの鑑賞となった。







以下ネタバレです。







監督曰く「サンドラはうつ病から抜け出してきたばかりで、周囲から弱い人もろい人と思われるが、そんな彼女が他の人の意見を変えることができる。またそうすることで自分自身も変わることができる。その道程を描いた。この映画は人間の弱さやもろさに対する礼賛だ」。サンドラを演じたマリオンコティヤールが、その境遇に絶望する女性に絶妙に成り切っている。終盤、自殺未遂などもあるのだが、あっさり立ち直ってまた行動するところがいい。ラストはこれまたあっさり、臨時雇いの二人のために自ら復職をあきらめる。もう以前の悲観的で弱いだけのサンドラではなくなったのだ。
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