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人生スイッチのゆっけのレビュー・感想・評価

人生スイッチ(2014年製作の映画)
4.5
人生とついてるタイトルから、自己啓発的なヒューマンドラマを連想してはいけません!

ブラックユーモアたっぷりのアルゼンチン映画です!もう、何というか最高です!
「アバウト・タイム」や「はじまりのうた」などのザ前向きな映画が大好きな私、実はこういうダークたっぷりなブラック映画も大好きなんです!

原題は「Relatos salvajes(スペイン語)」、英題は「Wild Tales」。訳すと「野生の物語」です。人間の本能である”怒り”をそのままストレートに描いているから素晴らしい。

よくニュースで「人間とは思えない野蛮な事件ですね」、、、なんて真面目なニュースキャスターが言ったりしますが、人間は野生のトラやライオンみたいな野蛮ではないのでしょうか。いやいや、野生の動物の方が本能に従っている分分かりやすいです。人間は動物の中で一番野蛮な生き物だと思います。

そんなことが分かる6つのオムニバス形式のそれぞれの”怒り”のお話になっています。

第1話「おかえし」 
第2話「おもてなし」
第3話「エンスト」
第4話「ヒーローになるために」
第5話「愚息」
第6話「HAPPY WEDDING」

日常の中のふとしたことがきっかけで 人生の歯車が狂い出す6人の姿を描いています。
ひとつひとつのお話はつながっているわけではありません。後味が悪いものももちろんありますが、何というかどれもある程度リアルにありそうな話として作られているので、共感できる内容になっています。私たちの身の回りにある”怒り”を極端に表現するとこんな感じよね?という形になってるからこそ、正直で見ていて少し心地いいものに思えるのです。

きっと、ここまで極端なことをする人はあまりいません(いたら困るのです)。どこかで理性によりブレーキを止め、気持ちを抑えこんでいるのです。

人間の”悲しみ”を肯定する映画『インサイド・ヘッド』も名作ですが、『人生スイッチ』はまさに人間の”怒り”を肯定してくれる映画。
もちろん、ブラックユーモアなのでそのまま観ても嫌な気持ちになるので、合わない方はいるかと思います。

けれども、4話の「ヒーローになるために」から少し救いのあるラストが垣間見れます。自分が感じる”怒り”という気持ちは、他に人にも共感し得る”感情”でもあることが分かるからです。ひとってなんだかんだ共感しあえるから、ひとりじゃないって思えます。

第1話「おかえし」は、飛行機に乗ったら乗客全員に共通点がみつかります。つながりが感じられるハッピー話と思ったら、、、ラストの展開が素晴らしいです。きっとあの二人は、、、、

第2話「おもてなし」は、両親のかたきの政治家に自分の働いているレストランで出会います。こちらでおばさんが語られている言葉がどこかの話に少しだけリンクします。

第3話「エンスト」。これはもう汚くて、下品で、通り越して笑えます。追い越した車をバカにしたのですが、その後車が故障して、その男に復讐されます。「激突!」を思い出しました。

第4話「ヒーローになるために」。これが一番おすすめ!原題「Bombita」というお話で「小さな爆弾」って意味です。

第5話「愚息」。自分の息子が酒を飲んで妊婦をひき逃げをしたのを逃れるために弁護士”や検察官をお金で利用します。これはあまり皮肉な感じです。

そして第6話「HAPPY WEDDING」。
結婚する前、結婚式前に観てはいけないムービーです!『ゴーン・ガール』も強烈ですよね。こちらもかなり強烈です。

どうでもいいですけど、挿入歌結婚式の入場曲、David Guetta - Titanium ft. Sia
イイデスネ!
https://www.youtube.com/watch?v=JRfuAukYTKg

ストレス解消に是非。


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