このレビューはネタバレを含みます
うーん、うーん、うーん、イニャリトゥのような雰囲気を纏いながらも、どこか違う。寒々しいギョレメの奇岩と頑固なジジイがよく似合う、晩年の映画だった。
果たしてジジイはみんなが言うような嫌なヤツなのか? まあそう見えなくもない。妻が言っていたことはかなり確信をついていて、なるほどこのジジイたしかに自分が正しいから相手を批判する権利を持つ、と勘違いしている感はある。
妻の帳簿を見るとかってもう本当に管理形というか自分のやり方を押し付けて、正しいか正しくないかを断じているよね。そりゃ嫌われても当然だ。
しかし、、姉だか妹の議論は向こうからの喧嘩を買っただけのようにも見える。無駄な文章をこねくり回している人生でも文句を言われる筋合いはない。そもそも向こうからの喧嘩だし。
で、最後は許してくれ、との独白で終わるけれど、なんかミッキー・ロークのナインハーフみたいな終わり方だなあ。
確かに自分が正しいと思いがち、相手を断罪しがち、管理しがち、これは誰にもあると思う。それでも相手を求めてしまうけれど、求めるならば相手のやり方も受け入れないとダメだよなあ、と言うのは簡単
だよね。
相手の気持ちを慮っていないから大きなお世話になってしまうんだよね。お金を寄付する→お金を燃やされる、あれもおんなじか。
長い映画だったし、ほとんど口喧嘩だけだったけれど、不思議と最後までダレなかった。ということは脇道に逸れたり、思わせぶりな行動したりしながら、これいるのかなあと思いながらも、身につまされるいい映画だったのかもしれない。