Mayu

アメリカン・スナイパーのMayuのレビュー・感想・評価

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)
3.0
戦争映画で実話に基づいたストーリーです。
クリス・カイルという、実際に従軍しスナイパーとして戦場で活躍しながらも、家庭を持ち、妻・子を愛する良き父親として生きた一人の男の物語ですね。
戦争というカテゴリに分けられるけど、一人の男の生き様を描いたヒューマン・ドラマのような仕上がりです。
9.11を機に始まったイラク戦争。
愛国心の強いクリスは30代で兵に志願して、多くの戦果を残すけど、自宅と戦地の行き来ははやはり並みの事じゃなくて、徐々に彼の心を蝕んでいくその様子や家族の悲嘆なども描かれていて、戦果を挙げたヒーローの話にとどまるのではなく、その裏に隠された心の闇だったり、家族への影響も忠実に描かれていてリアルだと思いました。
彼の活躍だけをみれば、かっこいい英雄としてまとめられてアメリカ軍万歳!!的な感じになるけど、戦争の悪影響もしっかいと描いているから、良いのか悪いのかは見た人の評価がわかれる作品だと思いました。
私としては彼の活躍は称賛するに値するけど、やはり戦争は悪ですよね。
絶対戦地だけにとどまらず、それを待つ家族なり、犠牲を受けるわけで、でも誰かがその犠牲を払わなければいけない…他人事の様に考えてはいけない…自分たちの生活を国を守るためにも今日もどこかで誰かが涙を流している。
アメリカの立場からみればそうだけど、戦地に暮らす敵国の兵士にも家族がいるわけで、難民となって逃れざるを得ない善良な市民もいるわけで…戦争をしている以上はどちらかの誰かが血を涙を流さなければならないわけで…そう考え始めると、ヒーロースナイパー万歳とは安易に言えない映画ですよね。
そういうことを考えさせられる映画として見る価値は大いにあるとおもいます。
そして、この映画の結末が悲しすぎるよね。
こんなにも国に尽くして、自分の身体も心も疲弊させながら、生きてきた男に…退役してもなお、人の役に立とうとしていた男に、神様は無慈悲ですね。
一人の男の生き様を、戦争という者の影響を、この映画をみて実感してください。
Mayu

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