ダダ

アメリカン・スナイパーのダダのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

実話と聴いてかなり感想が書きづらい…
ドキュメンタリーではないけど…何かメッセージがあると受け取って良いものか…?

PTSDについて注目して観ると、クリスはいつから発症していたのか、その根本的な原因は何なのかが気になる。

1度目の帰還の時、雑誌を観ている時には既に幻聴があったのか(タヤの声が聴こえていなかった)、それよりも前に、入隊訓練の時にはもう発症していたのか…?

映画の中盤、周囲が続々と目に見えて壊れていく中、一見丈夫そうなクリスが、4回目の帰還の際に、実は銃声と子供の悲鳴などの幻聴があるという描写にドキッとした。

高血圧だったり(常に緊張状態?)、産婦人科ですぐ感情的になったり(看護師が敵意の目を向けたのは現実なのか妄想なのか)、周りが気づかないうちに症状が進行していくのが辛かった。

父親が厳格な人で、強くいることを求めらていた(シールズに入るとき、水が苦手と言っていたのに相手の挑発を買う描写など)ことが「周りには見せないけど内面から壊れていく」に影響しているのかな…と思ったり…

はじめて殺したのが子供だったり、仲間には感謝されてもタヤから憎いと言われたり、目の前で仲間が死んだり、日頃から色々なことに押し潰されそうで辛かっただろうなと思う。(自分が死にそうになった時、タヤに泣きながら帰ると伝えたところが1番辛かった…ずっと泣きたかったのかな)

相手のスナイパーも、その人が悪いわけではなく、戦争がなければスポーツの射撃をして子供の成長を見守って家族と暮らせたのだと思うと心が死にそうになる。

兵士と戦争が身近ではない(しかも平和だから関係ないわけではない)ので、この映画のメッセージを「戦争は何も生まない」として無責任に受け取っていいのかわからないのも悔しい。
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