Kay

アメリカン・スナイパーのKayのレビュー・感想・評価

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)
3.5
ノンフィクションだからストーリーにあれこれ感想をつけることはできなけれど。映画は正しく現実を投射しているのだろうけど、その現実が捻じ曲がっている、その現実に激しい嫌悪感を感じるから評価が難しい。
 確かに、戦争はどうしてもやらなくちゃいけない時はあるし、兵士が亡くなった際盛大に葬式を執り行う、なにもないよりはもちろんその方がいいのだろうけど、「アメリカアイデンティティ」を持ち出してきて死は無駄ではなかった、死んでからその存在は強く讃えるその形式は耐えられない。
 強者にただ乗りして亡くなったときに彼の存在を讃える。根底にあるのは大衆の無関心と大多数の効用のためには少数の苛烈な犠牲をアイデンティティで正当化する思想なのか。そして自分がその世論の一部であることにも嫌悪感が伴う。
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