おるふ

365日のシンプルライフのおるふのレビュー・感想・評価

365日のシンプルライフ(2013年製作の映画)
3.7
「自分の持ち物を全て倉庫に預ける」「1日1個だけ倉庫から持ってくる」「1年間続ける」「1年間何も買わない」
この4つのルールをベースに1年間カメラを回した実験的ドキュメンタリー。

監督・出演のペトリ26歳は彼女にフラれたばかり。部屋に溢れている大量のレコード、プレーヤー、PC、洋服など様々な“モノ”の中でペトリは「モノは自分を幸せにはしてくれない」という事に気づかされる。そこから一旦全てのモノをリセットし、ゼロから本当に必要な物を考え、初めはとても不便な思いをしながら、周りからも変人扱いを受けるのだが、モノに依存していた生活から1年、ペトリはモノに依存しない、ヒトとしての本当の幸せのかたちを見いだしていく。

大量消費文化など同じようなテーマはしばしばドキュメンタリーやフィクションの映画にも取り上げられるが、ここまで究極なシチュエーションは初めてで新しかった。でもそのモノに溢れて、支配されそうになってしまう感じはよく分かるし、大量のモノと同様、ドキュメンタリーのなかでも“携帯の煩わしさから解放された”みたいなシーンもあって、人と四六時中繋がりすぎているのも善し悪しなのかなと思った。

おばあちゃんとの会話で、「モノは人生の小道具」みたいなやり取りがとても好き。
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