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西遊記 はじまりのはじまりの一人旅のレビュー・感想・評価

5.0
チャウ・シンチー監督作。

香港の奇才:チャウ・シンチーが監督を務めたファンタジーアドベンチャーの痛快作で、16世紀に大成された中国四大奇書の一つ「西遊記」をモチーフとした超絶怒涛の冒険活劇が活写されます。

本作は三蔵法師が孫悟空、猪八戒、沙悟浄と天竺を目指す「西遊記」の前日譚的内容となっています。弱小妖怪ハンターの玄奘(のちの三蔵法師)が道中出逢った腕っぷしの強い美人妖怪ハンター:段との協力のもと、最強最悪な豚妖怪(のちの猪八戒)を打倒すべく五指山にいる妖怪王こと孫悟空に会いに行くが、やがて新たな試練が玄奘を待ち受けていて―というファンタジーアドベンチャーです。

世にも有名な「西遊記」をチャウ・シンチー流の解釈で再構築した荒唐無稽(褒め言葉)なアドベンチャーとなっていて、シンチー節の炸裂した超弩級アクションがてんこ盛りです。ヒロインの段ちゃんによる黄金腕輪を用いた華麗なアクションや、お爺さんが巨大化させた右脚で繰り出す回し蹴り、さらには『カンフーハッスル』(04)でも魅せた宇宙規模のダイナミックなラストアタック(Dragon Ballの“元気玉”風)まで…CG満載の荒唐無稽ド迫力アクションで畳み掛けています。また、一般的なイメージとはかけ離れた孫悟空の浮浪者風の風貌&狡猾な性格や、顔面テカテカの美男子妖怪、ツンデレ具合がたまらない美人ヒロイン(台湾人のスー・チー♡)…と主人公を取り巻く人間&妖怪キャラも個性豊かに描かれていますし、エンディングで唐突に流れる「Gメン’75」のオープニングテーマは劇中唯一の聴き所となっています。
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