登場人物たちが、ずっと"絶妙”にカッコ悪い。"すごく"でも"ちょっと"でもなく、さじ加減が”絶妙”。ストーリーもシンプルでいい。雪崩にビビって家族そっちのけで逃げ出してしまった旦那さんのダサい行動が、どんどん家族関係をこじらせていく、というだけ。たったそれだけなのに、男と女のカッコ悪い部分が次々と露わになっていく。
昔、「話を聞かない男と地図が読めない女」という男女の本質を解説した本があったけど、この映画を観ているとその本を思い出した。男はプライドが大事だし、女は理想が大事。この”雪崩に逃げ出す”というトラブルは、その両方の大事なものを完膚無きまでに壊してしまう。
何もドラマチックなことは起こらないけど、めちゃくちゃ気まずかったり恥ずかしかったりダサかったり…普段なかなか見られない男女の生態が詰まっていました。終始ずっと失笑できる、レアな一作。
