紅茶

フレンチアルプスで起きたことの紅茶のレビュー・感想・評価

5.0
宇多田ヒカルさんのおすすめ映画ということで鑑賞。雪崩に遭った際、家族を守らず我先にと逃げる父の理性的になる前の本能的判断から、この物語は不穏な空気が始まる。
この問題は当事者以外にまで波及し、登場人物のさまざまな価値観が行き交う。男性の軟弱さに対して向き合う場面も見られ、より現代的なテーマに沿っている。
長回しやロングショットからのクロースアップなどの撮影やヴィヴァルディ「夏」の露骨なまでに精神を痛みつける音楽が作品性をさらに高めていると感じる。それをも含めてモチーフの真新しさや普遍的に通ずる内容、演出の面白さなど様々な視点から見ても、素晴らしい作品。
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