ぽん太

めぐり逢わせのお弁当のぽん太のレビュー・感想・評価

めぐり逢わせのお弁当(2013年製作の映画)
4.0
各家庭から弁当を集め職場へ届ける弁当配達文化のあるインド。そのシステムは確立され間違いは600万個にひとつ

娘を学校に送り出し、上の階に住む叔母と窓越しに会話をしながら弁当を作る
戻ってきた弁当袋が軽く、自分の作った弁当を「舐めた様にきれいに食べてもらえた」と叔母に話す
しかし、仕事から戻った夫は弁当の感想を聞かれ「いつもと同じ」と素っ気なくかえす
夫でない誰かに弁当が配達されている事に気付きイラは手紙を入れる
配達ミスで夫に届くはずの弁当を食べさせてしまったお詫びを
するとまさかの味のダメ出し返事
叔母に話すとそんな奴にはと唐辛子を
唐辛子の効果はあった様で食後にバナナを2本食べたと返事

弁当を通してやり取りする手紙

妻を亡くし仕事を早期退職予定、後任のシャイクは距離感がバグ。人付き合いが苦手で誰と話すでもなく職場と家を往復する毎日。出来合いの食事を独り済ませ隣家の夕食の様子を何気なく眺めながら煙草を吸う

夫の浮気を知り、全てを諦めるイラ
「ブータンでは誰もが幸せだそうよ。インドもそうだったらいいのに」
サージャンは
「あなたとブータンに行けたらいいのに」と

「私達は逢うべきだわ」
カフェで逢う約束の手紙に不用意に胸が上下し落ち着かなく辺りを見渡し、不意に口元が緩む
約束の日、朝から身だしなみを念入りに整えているとふと亡くなった祖父の匂いに気付く。自分しかいない部屋で
自分の老いに初めて気付き、カフェで待つイラの若さを離れた席から眺め逢う事かできず帰ってしまう

絶妙な終わり方
ぽん太

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