「頭のおかしい人が叫んでいる妄言こそが、この世界の真実かもしれない」
これって、白石作品で繰り返し言われてることですよね。
モラルとかタブーって人間が決めたルールなので、よりマクロな視点になると、それは無意味になるっていう。
ほかの白石作品では、そのお約束が主人公側の理屈としてあったので納得できたのですが、今作でそのお約束を振りかざすのが25人もの殺人を犯してきた信用ならない相手なわけです。
これはもう、白石作品としてスリリング!
白石監督のことだからそういうことなんだろうとは分かっているが、どこか疑ってしまう!!
今作はそんな作風です。
この一作品だけを観ると「???」となることは百も承知なのですが、他作品を観ていると、なるほどーこうきたかーとなるのです。
ことほど左様に白石作品って、監督のフィルモグラフィを知っているほど作品がモロに干渉し合って評価に影響が出るっていうところが面白いんです。
この映画を観て「なんだこりゃ」となったあなた、同監督の『オカルト』・『ノロイ』あたりを観るとしっくりくるかもしれませんよ。