ホッツるマッツる太郎

アルゲリッチ 私こそ、音楽!のホッツるマッツる太郎のレビュー・感想・評価

3.0
言わずと知れた才能を映し描くことより「おかあさん大好き大好き、もっとお顔を見せて、いくつになっても寝ても覚めても笑っても苛立っても大好き、私を見て!」が溢れる。美しく天賦の才を持つ母の豊かさに対して抱く、愛情と畏敬と恨み。娘は親を多角的に求めるものだね。
邦題からイメージされる音楽的エピソードや、天才の記録というより「ピアノのペダル オカンとわたしと、時々、オトン」な話だった。原題の『Bloody daughter』は直訳すれば忌々しい娘。だけど、娘に対して父が語る本意は親密で複雑な愛情を感じた。