ホッツるマッツる太郎さんの映画レビュー・感想・評価

ホッツるマッツる太郎

ホッツるマッツる太郎

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新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

4.0

他を凌ぐ圧倒的なスピード感!今まで走るゾンビには良い印象(?)がなかったのだけど、蘇り系ではなく感染者だと考えたら感染からの即発症も、運動能力の維持具合も納得できて、高速鉄道内の閉塞感とあいまって息も>>続きを読む

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

3.8

スコセッシの『沈黙』に続き、ガー君ことアンドリュー・ガーフィールドが信仰心の篤さを携え日本で酷い目に合う(役を演じる)第2弾『ハクソー・リッジ』を試写会にて鑑賞。
…壮絶というより凄惨。久々に生々しい
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.0

三者三様の癒されなさと、そこに対峙する面持ちの複雑さ。
抱えた欠落を埋め合う他人同士が家族となる話も希望があって良いけど、愛しくも脆いヒトの営みに寄り添いつつ距離をおいたまなざしの優しさを感じるこの作
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ドクター・ストレンジ(2016年製作の映画)

4.0

アメコミ原作の映画に関心なかったり「MARVELってシリーズ物でしょ?見た事なくて分からない」と思う人にこそおすすめしたい、めくるめく映像ワンダーランド!
何も知らなくて大丈夫、むしろ予備知識ない程度
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クリミナル 2人の記憶を持つ男(2015年製作の映画)

3.0

敏腕CIAエージェントの記憶を凶悪な囚人に移植してテロリストと戦うという設定こそ強引だけど、アクションシーンはえげつなくドラマパートはソツなく(キャストが渋固いことからもお察しください)面白かった。>>続きを読む

MERU/メルー(2014年製作の映画)

4.0

登山映画はどれもシビアな現実と想像を絶する心身のタフさ(あるいは限界)を感じるけど、この作品もまぁ凄まじい。関東の平地で寒いとか荷物が重いとか言ってらんない。

世界最難関の峻峰、その断崖の険しさから
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霧の中のハリネズミ/霧につつまれたハリネズミ(1975年製作の映画)

4.5

神の御技の精緻な手触り。スクリーンのこちらにいても、しっとりと細かい細かい霧にまつげが濡らされるような描写が素晴らしい。
絵も音(声)も、目から脳と心へ沁み渡る美しさ。独特な繊細さと圧倒的な表現力で紡
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話の話(1979年製作の映画)

4.5

うっとりするしかない。
詩情あふれるそれぞれの場面を思い出して余韻に浸りたい一方、これは一度見ただけではまるで足りないと思わされる深み。
えもいわれぬ幻想世界に包まれた。物語自体に一貫したストーリーは
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アオサギとツル(1974年製作の映画)

4.0

なんとも愛しく、もどかしい話。
よく、この絵柄のままアニメを作ったなと驚く顔つきをしたアオサギとツル。背景の頼りなげな描写が、野や湿地の枯れた風合いを絶妙に表していて吹く風の香りがしそうに素晴らしい。
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キツネとウサギ(1973年製作の映画)

4.5

フォークロアな雰囲気の中、そこそこ剣呑な内容を柔らかい筆致で描いてエクストリーム面白い。
元は童話なので展開は想像できるけれど、合い間合い間の表情の豊かさ、キャラクターの愛おしさに見とれていると最高の
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MILES AHEAD マイルス・デイヴィス 空白の5年間(2015年製作の映画)

2.5

マイルスを知らない私なので「おお、これぞマイルすな〜!」とはならず、ドン・チードルのなりきりマイルスぶりと、翻弄されるユアン・マクレガーを見守るばかり。
私は普段だと映画では物語と心情を重視して鑑賞す
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湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

1.0

これほどストレスを感じながら見た作品は久しぶりだ。随所に仕込まれた厭らしい設定。泣きを誘発させようとするあざとさと、問題意識に欠けた雑な愛情バンザイ…大丈夫?

役者の演技が良いだけに、もったいない。
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手紙は憶えている(2015年製作の映画)

3.5

切なくて苦かった。意地悪エゴやんめ、そこが好きだ!展開は予想できたけど、危うさが充満して目を離せず。

寄せては返す老いの波に足を取られ、霞む目で手紙の文字を追い、復讐先へと震える指を伸ばす姿が色んな
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奇蹟がくれた数式(2015年製作の映画)

3.5

若き数学者ラマヌジャン(デヴ・パテル)と、生まれも育ちも世代も違うハーディ教授(ジェレミー・アイアンズ)は数字を通じて心を交わし、すれ違い、求めあう。
彼らの間で数字・数学は、言葉や態度より饒舌に親愛
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

こうの史代さんや監督など制作に携わった方々をはじめ、クラウドファンディングに参加した人たち、すばらしく価値のある作品を世の中に誕生させてくれて本当にありがとう。
エンドロールで名前を探す時、きっと誇ら
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聖の青春(2016年製作の映画)

3.5

東出昌大は羽生名人役をあのように演じるため、今までの作品では泥人形の如くスクリーンにたたずんでいたのでは、と思うほど素晴らしかった。似て見える、どころではなく感じた。
もちろん松山ケンイチも鬼気迫る存
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溺れるナイフ(2016年製作の映画)

3.0

ずいぶん前に原作を読んだけど思い出せないまま。
しかし瑞々しく一途な想いの危うさや気高さがよみがえるようだった。ふだんは見ないタイプの作品だけど、たまには良いなぁ。

なんといっても菅田将暉の火祭りP
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サマー・ヴェンデッタ/ボドム(2016年製作の映画)

3.0

フィンランド映画祭にて鑑賞。
…「湖のものがたり」のつもりで「ボドム」を買っていた私は。
湖の〜はドキュメンタリー、ボドムはフィンランド全土を震撼させた殺人事件を元にしたスリラー…という大違い物件なの
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王となった少女(2015年製作の映画)

4.0

フィンランド映画祭にて鑑賞。とても満足、期せず何度も目汗った。

6歳で即位して王子のように育てられ、聡明に成長した少女が美しい女官と出逢う。愛情に苦悩しつつ執務に励み、文化芸術の発展に寄与した女王。
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ソーセージ・パーティー(2016年製作の映画)

3.5

面白かった!!!!
どっちかな〜と思っていた下ネタが大丈夫な方で、楽しかった。
いわゆる「うんこちんちん」なら、ちんちん平気というか。嘔吐・排泄物ネタは汚いと思って笑えることがあまりないのです。終始一
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レミニセンティア(2016年製作の映画)

3.5

人の記憶を消す能力を持つ男が記憶を取り戻せる女と出会い、歪んでいく認知とアイデンティティー。

ロシア俳優+ロシアロケの相乗効果で産まれた、自主制作とは思えないルックの『邦画』!これは新たな規格だなぁ
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ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016年製作の映画)

3.5

軽やかに、時に仄暗く、バランス良く楽しく。
なにより、不思議クリーチャー大大大好きなのでホクホク見ていたのだけど、よりにもよって超絶苦手なアレが出てきたせいで、物語や登場人物のことを考えたくてもイニシ
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ハートビート(2016年製作の映画)

3.5

愛情のピルエットで期待と不安と閉塞感をグルグル回し、勇気の絃を唸らせて存在感を響かせる。シンプルかつ王道の青春ストーリー。

ダンサーを目指して名門学校の厳しいレッスンに臨むルビーを演じる米国人で初め
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奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

あまりにも重い過去、それが遠くどこかの国・民族の話ではなく、自分たちの現在と地続きであると知る学生たち。
ふだんの生活(家庭や学校)においても、人種や宗教について差別と諍いが起きる事に世界の縮図を感じ
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

レイト1,300円でお釣りが来る程度には楽しんだけど、去年MMFRに乗れなかった人の気持ちが分かるような、そんなシン・ゴジラ。

音楽が評判良いようで期待したものの、その手の作品に親和性や思い入れがな
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エクス・マキナ(2015年製作の映画)

3.5

ちょっとした文房具なら収納できそうにモサモサなオスカー・アイザック演じるネイサンのヒゲ凄かった。一方でドーナル君はツルッとして、だけどカミソリ使うから、映画でヒゲ剃るシーンに過剰な不穏を感じる私は怖く>>続きを読む

ラザロ・エフェクト(2015年製作の映画)

3.0

ルーシーとパプリカとフランケンウィニーを足して5で割ったような、グロさのないスリラー。振り返れば奴がいる系の怖がらせ演出なので流血が苦手な人でも大丈夫。オリビア・ワイルド熱演の83分。

すきやばし次
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FAKE(2016年製作の映画)

4.5

見たいものと見たくないものがあった。
映し方によって物事の多面性を意識させられ、監督の匙加減から事実と真実を斟酌することが面白い。なおかつテレビ番組とも違うポジションでの切り口、森監督の「映画」として
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レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

4.0

イニャリトゥとルベツキが開拓した新境地ともいうのか、圧倒的な気迫と精緻な映像に約3時間があっという間。
飽きず、おののきながら見つめた壮絶な復讐譚。こんなものを撮った後は何をするのだろうか。

舞う雪
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ズートピア(2016年製作の映画)

4.5

ズートピアすごい。さすがディズニー!なんて気持ちは今更だけど、子供でも難しくない開けた造りで単純に面白いのに、何度も(冒頭のチケットエピソードから)涙が滲んでしまうくらい多様性へ対する視点が丁寧で建設>>続きを読む

神様メール(2015年製作の映画)

4.0

かなり好き!荒唐無稽なのに神様一家が生活感ありすぎるから、ヒトの営みが寓話的に見えてくる。欲求や欲望、喪失や欠陥に対してシニカルだけど、とても優しい視線。エピソードそれぞれがやるせなくて面白さを加速さ>>続きを読む

ジャージー・ボーイズ(2014年製作の映画)

4.0

これは全方位向けのお行儀良さで、なんというか親世代のガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのような。

イーストウッドは、人生の終いに入ろうとしてるんじゃないか。いろいろあったけど人の生涯とは美しいものだ
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アルゲリッチ 私こそ、音楽!(2012年製作の映画)

3.0

言わずと知れた才能を映し描くことより「おかあさん大好き大好き、もっとお顔を見せて、いくつになっても寝ても覚めても笑っても苛立っても大好き、私を見て!」が溢れる。美しく天賦の才を持つ母の豊かさに対して抱>>続きを読む

レッド・ファミリー(2013年製作の映画)

3.5

味のある表情を見せるキム・ビョンオク!Mr.胡乱の登場は高まるね。「監視者たち」で、ウソンさんに指令を伝える怖いおいちゃん役で見かけても「新しき世界の朝鮮族:延辺の物乞い隊長」と、まどろっこしい呼び方>>続きを読む

アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

4.0

タイムトラベルを理屈で説明しないのが良かった。そういうもんだ、でいいのだ。とかく殿方はカッコつけしぃやな、そしてHerやルビー・スパークスでも感じたようにエゴイスティックなロマンチストだーと斜め気味に>>続きを読む

ニンフォマニアック Vol.1(2013年製作の映画)

3.0

シャイアの「+5」が何よりひどいと思いました。

途中で寝たシーンもあったけど、それはそれとして見直すことなくvol.2を待つ所存。ステランが、方向性はともかく何かに覚醒してほしいと期待してる。それに
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