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グッド・ライ いちばん優しい嘘のFAZのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

スーダンの内戦により家族を住む家と両親を奪われ、10歳やそこらでライオンやサソリがいる広大なアフリカに放り出されたロストボーイズ(女子もいる)と呼ばれる戦争孤児たちの実話を基にした話。

安全な地を求めて、裸足で何万キロといういつ命を落としてもおかしくない過酷な道を歩き、飢えと病気と銃の音に怯え、仲間をひとりひとりと失いながらもたどり着いた難民キャンプ。

この道中だけでも1本分の映画になるくらい、辛くて厳しい道のり、それでも「死にたくない、生きたい」と前に進み続ける彼らは決して未来を諦めない。

難民キャンプといってもただの鳥籠で快適な生活はあるはずもなく、みんなで少ないご飯を分けあったり、服と靴を交換するような生活。
そんな中で13年過ごした彼らは、やっとアメリカへ移住できるプロジェクトに選ばれ、念願のアメリカへ。

「医学を勉強したい」
あんな過酷な状況にいても、医学を勉強して医者になりたいと思うマメールの心が綺麗すぎて、自分が恥ずかしくなる。

何もかもが違うアメリカで、電話もストローもバターも知らない彼らがうまくいくはずもない。
彼らの仕事をサポートするキャリーも、そんな彼らを最初はめんどくさそうに接するけど、彼らの純粋な心と、彼らの歩んできた過酷な人生を知り、彼らの力になりたいと奮闘する。

正直予告やあらすじでは、このキャリーが主人公なのかと思ったけど、半分くらいしか出ず後半も結構駆け足だったので、印象はそんなに無い。

同じ地球に産まれた人間でも、産まれてくる場所でこんなにも人生が違う、そんな中で平等や差別のない世界を作っていくことは困難だけど、家族を想う気持ちとか未来への希望とか、大切な人を守るときにつく優しい嘘とか、根っこの部分はきっと全て同じなんだと感じられた映画だった。
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