それ以前にも、竹宮恵子や萩尾望都作品を愛読していたが、友人の奨めで、吉田秋生の『カリフォルニア物語』に出会ったとき、さほど年齢も変わらない作者が、遠くの世界を身近な感覚で描き出していることに衝撃を受け惹きこまれた。いくつかの作品世界をクロスオーバーさせる手法も好みだった。
中でも、『櫻の園』や『海街diary』は、“近く見えても遠い世界”を感じさせ、年齢を重ねても、離れがたい作品になった。1990年の「櫻の園」の映画化は満足いく出来栄えだっただけに、『海街』の映画化が報じられた時は、期待値が上がってしまった。
漫画と実写映画は別物と解かっているが、上手な映像化と映画として魅力ある作品も、また別物だ。その意味でも、2015年時点でのベストキャスト、ベストスタッフが揃えられた奇跡を、神様に感謝しよう。もちろん、それを感動作に仕上げた是枝監督にも感謝！
「若草物語」に「姉妹坂」、「細雪」に「ポッキー四姉妹物語」なんてのもありました。男兄弟はつまらん。
