ハリ

海街diaryのハリのネタバレレビュー・内容・結末

海街diary(2015年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

慎ましく暮らす三姉妹と腹違いの妹との交流を描く。

終始のんびりとした日常を描いた作品で四姉妹の掛け合いや穏やかな日常、四季折々を感じさせる情景が良い塩梅で流れていく。

浮気をして出ていってしまった父、残された三姉妹を育てられないと自分勝手に出ていってしまった母。両親の生き方に振り回され結束の固まった三姉妹の強さが良く描かれている。そこに腹違いの妹すずが一人加わる事によってより深い物語になっていく。

自分の父を奪った女の娘だが三姉妹は暖かく迎え入れ、すずの心優しさや逞しさに触れて、三姉妹は自分の父親の心の弱さに隠された優しさを思い出す。すずも母親が無くなり、母親の愛情を一心に受けていない。後妻との関係性や病気の父の看病を一人で背負い、逞しく見せているだけであった。

三姉妹を母親のように慕い四姉妹へと昇華していく様は美しい情景と相まって感慨深い物があった。

しっかり者だが自分自身も不倫をしてしまっている長女の幸。三姉妹のムードメーカー的存在だがダメ男ばかりに捕まる次女佳乃。おっとりとしており一見何も考えない人間に見えるがしっかりと姉妹の潤滑剤となっている千佳。個性豊かな三姉妹とすずを含めた四姉妹を見ているだけで和やかな気持ちになる映画だった。

正論で喧嘩はするがいざという時には団結する長女と次女、すずに寄り添い優しく接して姉妹の仲を保つ役割をしている千佳の姿が印象的。桜、梅の収穫、花火、真冬のコタツなど四季を存分に感じられる映画で大好きな映画。
個人的評価:名作
ハリ

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