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海街diaryのPのネタバレレビュー・内容・結末

海街diary(2015年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

とても優しい映画だった。最初から最後までずっと優しい。

姉妹4人の性格の違いがとても表れていて良かった。しっかりもので母親代わりの長女。生真面目だが、家を出て行った母親と感情的に衝突してしまう様な面もある。自由奔放で派手な次女。ダメンズウォーカーでだらしないが、姉妹の気持ちの機微に誰よりも敏感である。可愛い性格の三女。末っ子らしく、いつも後出しじゃんけんだが、皆の緩衝材になってくれる。そして新たに加わった四女。特殊な出生のため、とてもしっかりしている反面姉妹に対して(特に長女に対して)ガードが固いが、共同生活の中で徐々に心を開いていく。
最初の葬儀のときの4人の服装が、4人のキャラクターの違いを表していたのがとても良かった。喪服ってあんなに種類あるんだなあ。そして最後の葬儀のシーンでは、次女の服装が姉のそれに近くなっていたのも印象深かった。

父と母の別れに最も傷ついていたはずの長女が、父と同じような性格の男と不倫をしていたのは、父への拭い去れない愛情からか。父の思い出が浅いためにすずとすぐに仲良くできた三女とは違い、長女とすずはなかなか心からは打ち解けず(目に見えて喧嘩したりぎすぎすしたりしているわけでは全くないが)、でも最後は心を開けて本当によかったね。。。

最初に出てきたのが次女だったのはなんでだろう。誰よりも姉妹のことを冷静に見ていたから?ストーリーテラー?

「ちゃんと結婚している」人が一人も出てこない不思議な映画だった。

風吹ジュンがすずに「あなたのお父さんとお母さんが羨ましいわ。こんな宝物のようなあなたをこの世に残せて」って言ったシーンが凄く…哀しくなったというか子供欲しいなって思った。
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