ああ、是枝さんだな、カメラの向こうに是枝さんがいる安心感があるな。是枝さんが見つめている街の中に自分も生きているな。映画が終わってみて、そんな感覚で観ていたことに気がついた。
ひとを撮っている、から、だとわたしは解釈しているけど、是枝さんの映画では度々自分の親戚が姿を現わす。わ！おばあちゃんやん。とか、わ！うちのママやん。とか。なんだかこう、家族という寄せ集めの普遍性とでも言おうか、是枝さんの描くそういうひとのあつまり感がとても好き。と、いうことを改めて確認した。
しかし、長澤まさみは最近目を見張るな。こんなにもニュアンスの表現の上手い女優さんだったか、と思うことしばしば。綾瀬はるかの意外な長女役も素晴らしいし、広瀬すずの瑞々しさときたら、この歳でこの作品に彼女のあの生命が収められたことに奇跡を感じるくらい。
そして相変わらずの贅沢な脇役陣は、もう日本映画界の至宝です。風吹ジュンてなんであんな泣かせるかな。わたしも堤真一医師とああいう不倫したいです。あ、それはまた違う話。
