皿と箸

海街diaryの皿と箸のレビュー・感想・評価

海街diary(2015年製作の映画)
4.7
今年暫定ベスト。

是枝監督はやっぱり肌を撮るのが上手いなー!
家の柱に刻まれる身長の線のように、その時その時で肌は変化していくし、光と影を上手く使って健康さも不健康さも色気も演出するのは力が無いと出来ないこと。

葬式のシーンが印象的だけど、人は祝われる回数より弔われる回数の方が多い。
カタチが無くなったとしてもその人がそこに居た事実は存在し続ける。
それは善悪という簡単な基準では表せないし、さらには血縁すらも基準にはなり得ない場合もあると。

姉妹だとしてもそれぞれが違う記憶と繋がりを持っていてそれが個性となり四季の様に色々な面を見せてくれる。

ご飯の食べ方、服の着方、料理の作り方、男や職業の選び方まで否応無しに反映され、それはさらに後世にも受け継がれていく。
そんな日常の連なりが衣装、音楽、フード、風景に彩られてきちんと美しく愛すべき瞬間として切り取られていて胸を打った。

なんとなくしてしまう言動や所作も全ては誰かからの影響なのかなとか思うと自分も他人も大切に出来るのではないかな。とか思ったり。

意外にかなり大きいと思うのがこの映画って父性というか雄性を持った男性が出てこないということ。顔的にも堤真一、加瀬亮、坂口健太郎と塩系で統一してるのも意図的に女性だけの家族の話しにフォーカスする為だと思う。
この三兄弟の話を作っても良いくらいに統一されてるし、これで山田孝之とかだとさすがに違うでしょ。

その辺りの世界観の徹底具合はやっぱり監督としては力ある〜。と。

個人的にも好きな女優の変遷をそのまま追ったような四姉妹だし、これは俺の為の映画だ!
そう思った人も多いのでは?笑

まぁでも今回の夏帆の感じはマイベスト夏帆でした。
お団子、メガネ、パーマ、お椀前髪。そしてあのキャラ!

一緒にちくわカレー食べて〜!
皿と箸

皿と箸