「猿の捕まえ方を知ってるか?」
オマールの海老ならぬオマールの壁。
希望を持って登っていた壁。
そして登れなくなった壁。
パレスチナ問題を背景に、汚い大人に翻弄される若者を描く。
そういえば東京国際映画祭で観た「オマールの父」でも、このそびえ立つ壁が出てたけど、あちらよりもスリラー色強め。
壁を超えてイチャコラしてたら帰りに見つかってボコられるシーン、拷問シーンなどは胸糞。
そこに男女や友情のすれ違い、愛憎劇が加わってストーリーがより濃いものになっていて、ちゃんと映画としてのエンタメ度も高い。
そして哀しくもカタルシスを迎えるラスト。
その後は神のみぞ知る。
ベルリンの壁もそうだけど、国に建てられた壁は物理的にも、精神的にも断絶しか生まない。