tamashii

虐殺器官のtamashiiのネタバレレビュー・内容・結末

虐殺器官(2015年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

劇場で鑑賞、原作未読。映画化三部作では一番面白い。
一度は製作元が破綻したとのことだが、よく完成させたと思う。この作品は世に出す価値があると思う。

ジョン・ポールの正義は一見ハッとさせられるけど、真面目に考えると良い考えではない。テロそのもので死ぬ人よりも内戦で死ぬ人の方が圧倒的に多いから、功利主義的な考えからは擁護し難い。だが、人間がどのくらい功利主義的な考えを好むのかというと、心許ない。身内贔屓の傾向性は現代人にも根深く残っている。実際、多くの問題に目を瞑っているという自覚があるだけに、ジョン・ポールの告発にハッとさせられる。

と、色々考えてみると、問題から目を背けるというのは無理もないのだということ、あるいは、ほどほどに目を開けている人でも簡単には手が出ない問題なのだというふうに思えてくる。

ストーリー以外では、音響がすごく凝っていたと思うし、マシンのデザインも良かった。近未来感に浸れた。なんでseaweedがあの形かは分からなかったが。

最後のsupercellでがっくりくるのは毎度のパターン。がっかりの文法。
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