記念すべき1本
今年は大きな変化があった年。
ひとり家族が増えました。
出産の前。
最後に映画を見に行こうと、
身重の奥さんを連れて見に行ったのがこの映画。
脳ミソ吹き飛ぶ日本産スプラッター。
よくもまぁ親になる前の最後の記念すべき映画に、
こんなのを選んだものだなぁと、
ちょっと感慨深くなってしまいます。
記念としては丁度良い1本。
日本映画の新たな可能性が光る良作でした。
売れない漫画家、鈴木英雄は過去の密かな栄光にすがっては日々悶々とした毎日を過ごしている。
そんな日常が"ZQNパニック"により一変してしまう···
言わずもがな同名コミックが原作のこの作品。
とにかくアクションの質が今までの日本映画らしからず驚きました。
冒頭のパニック描写もさることながら、やはりスプラッター物としてどこへ出しても恥ずかしくない仕上がりとなっています。
この手の映画でお決まりの籠城戦って何だか妙にワクワクしてしまうんですが、その辺りのツボを押さえてる抜かりのなさがとってもグッド。
そして何よりも銃器というモノをどう位置付けるか、そこが非常に巧みでした。
僕達って洋画での銃器使用の描写には慣れてしまっているけれど、
対照的に日本が銃社会でないことも当たり前のように認識しています。
だから、日本映画においては安易な銃器使用の描写の難しさがある。
でもこの映画では、
そんなジレンマを逆手に取って演出に生かしているため、日本社会の特性をそのままアクション映画に反映させることに成功しているんです。
言うなれば日本の風土にあった日本産アクション映画。
だから、英雄が持つ射撃銃は劇中で相当な意味合いを持っているわけなんですね。
力の象徴、決意、生存本能。
そういう付加価値があるからこそ、
終盤でのアクションが本当に活きていました。
極限のシュチュエーションに、
銃声、飛び散る脳、散乱する死体。
日本映画の限界を吹っ切ったやり過ぎなくらい無茶苦茶な爽快感。
本当に最高の体験でした。
こんな意欲的な作品が産み出されたことを単純に喜びたいと思います。
こどもの名前は英雄に···
しませんよ。