椋太

アイアムアヒーローの椋太のレビュー・感想・評価

アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)
3.3
ゾンビのグロ描写が目を覆いたくなるほど,鮮烈だ.あの気色悪さったら,すばらしい.大泉洋の気楽さで観始ると,際立ってしかたない.それに絵が妙に綺麗だった.ゾンビ映画は安っぽさと現実味の薄さでコメディとして観てしまいがちだが,物語のテンポも良く,安心して没入できた.また,彼のキャラクターは胸に刺さる.ラストの大泉無双は鬼気迫り,心臓が高鳴るシーンだが,ゾンビをペチペチ叩く大泉さんは英雄をよく表しているなぁと思ったりする.
(ところでゾンビの容姿から船越桂さんの彫刻を連想してしまったこともメモしておく)

冴えない漫画家アシスタントの主人公は普通に真面目だ.たぶん努力してきたし,昔の受賞経験もある.しかしおそらく,才能は萌芽しない.
そんな彼が,彼女に言わせた破局の言葉を何度も繰り返し思い返している.

(以下引用)
英雄君のはね,夢って言わない,妄想って言うの.
成功なんて一握りの特別な人しか出来ないんだよ.
英雄君,普通じゃん.普通の人じゃん.
今のままじゃ何にもなれない.死ぬまで...!
椋太

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