ヤックル

シェフ 三ツ星フードトラック始めましたのヤックルのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

人と人とのつながりの重要性を理解しながらも孤立していた男が、フードトラックによる移動販売を通じ、人と人とのつながりを取り戻していく再生譚。
料理人と言う決して譲れない一線を示すことで、子供から尊敬の眼差しを取り戻す父親だけではなく、グルメブロガーとの和解など、人と人の心が通じあう瞬間にグッとくる。

また人と人とのつながりと言う意味では、現代社会において切っても切り離せない存在となったSNSを正面から向き合っているのも本作の特徴で、ここまでSNSの特性を理解し、脚本に落とし込んでいる映画は初めてなんじゃないかと思った。
ここで唸ってしまうのは、SNSの悪い面を描くにしても、ただ炎上させるだけではなく、主人公の主張に筋を通した上で炎上させているところ。
こういうところで主人公に感情移入させるように書かれた脚本は本当にうまいと思う。
あとSNSを使いこなす子供の説明が、わかる人にはわかるけど、わからない人にはわからないという絶妙な雑さが、SNSというサービスをより的確に浮き彫りにさせていたように思った。

でもこの映画の素晴らしいのは、料理がこれ以上ないほど美味そうに見えるところ。
(料理映画なんだから当たり前だけども(笑))
肉やチーズ等の動物性タンパクがアツアツに熱された鉄板に焼かれる音とビジュアル、それを美味しそうに頬張る人たちの幸せそうな表情など、料理の醍醐味を完全に理解した描写の数々に食欲を刺激されまくりました。
ある意味ダイエッターにはめちゃめちゃキツイ作品でした(笑)
あ、でも強いて苦言を言うとすれば、肉ばっかりじゃなくて甘い物ももうちょっとあっても良かったかなとは思いました。

映画を観終わった後に、美味しい物を食べながらワイワイ語りたくなる映画です。
とってもオススメ!!!
ヤックル

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