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シェフ 三ツ星フードトラック始めましたのnaoズfirmのレビュー・感想・評価

3.9

ロマン🎬

ストーリーは究極のサンドイッチを売るため移動販売のフードトラックをはじめた一流レストランの主人公がアメリカ横断をする姿を描いた作品でした。「1人の仕事中毒な男が『父になる』物語」としてストレートに素晴らしいし、出てくる料理は凄まじく美味しそうだし、それを作る過程も面白く見せているし、褒めるところまみれです。ラスト、息子が作った「毎日1秒を繋げた映像」を観る場面は泣きました。

見所は豪華出演者です。主人公演じるジョン・ファヴローは包丁捌きが見事で、エネルギッシュなシェフ役がハマっていました。そしてスーシェフのジョン・レグイザモはキャラの良さが溢れ出ていました!!『アイアンマン』のファヴロー監督ってことで特別出演のキャストも豪華。スカーレット・ヨハンソンにロバート・ダウニーJr.、、マーベル万歳でした。っていう感じです。そしてそして、子役のエムジェイ・アンソニーは可愛すぎです。他にも合理的なオーナーをダスティン・ホフマンが演じるブロガーはとても味がありました。

今作が伝えたいことは大きく3つあると思いました。

「料理は人を幸せな気持ちにさせる」

どのシーンを見ても、「こんな料理をお腹いっぱい食べたら幸せだろうなぁ」って思いました。本当に、美味しいご飯を食べると幸せな気分になりますよね。映画の中で、息子が焦げたサンドイッチを作ってしまった時、息子はそれをそのまま出そうとしました、そのお客さんには、ただであげるものだから。そこで、カールが「俺たちは、お客さんが食事をした後の笑顔を観るのが嬉しいんだ。分かるか??」って言うセリフがあります。これは料理人のカッコ良さというか、信念の強さを感じました。自分が出す料理が、無料・有料関係なく、自分で作ったものは、お客さんを幸せにする最高のものを提供しろってこと。このシーンは特におすすめです。

「初心に帰って新たな人生を始める素晴らしさ」

今作で観客に最も訴えかけてくることは「初心に帰って新たな人生を始めることの素晴らしさ」だと思いました。息子には、「お客さんの笑顔を見るのが仕事だ」なんて言いながら、シェフはレストランにいた頃、本当に作りたい料理を作れず、オーナーに言われたものだけを作っていました。それは、息子に言っているようで、自分への言葉なんだと、、自分は、本当に今までお客さんを笑顔にするような食事を作ってきたか。そうやって、初心に帰るように自分に言い聞かせていました。やっぱり、何事にもタイミングっていうものがあり、オーナーとのケンカは起きるべくして起きたんだと思いました。職を失うことはとても怖いことだけど、自分の信念を曲げることはもっと辛いことだと。偶然か、必然か、初心に戻れたことが、後々良い結果につながっていくっていうのが、この映画の素晴らしいところだと思いました。何も持っていない旅先で、やりたいことを口にしたら、手を差し伸べてくれる人がいた。新しいビジネスを助けてくれる人が現れた。そうやって、彼の信念に対して人が集まってくるのがすごく良かったです。私たちもすごく好きなことに向かって必死になっていると、いつか自然と道は開けてくると思いました。

「SNSのフル活用術」

今作を観ていて印象に残ったのはSNSの使い方です。ブログ・youtube・twitter・vine、最初は評論家とのやりとりの炎上から始まったtwitterをうまいことフードトラックの宣伝に変化させていくところがお見事です。自分では意図してない炎上ビジネスですね。確かに、twitterは地図にピンを打てるからフードトラックみたいな屋台にはピッタリだし、食べたお客さんもそれを見て拡散してくれる。誰よりも、小学生の息子が使い方に詳しいっていうのが、今の時代を表しています。
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