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シェフ 三ツ星フードトラック始めましたのKのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

「良い夫でもないし、良い父親でもない。けど料理だけは最高の腕を持つ」
と息子に言える格好良さ。

エンドロールの料理演技指導を含めて楽しめる。
そして料理シーンのこだわりを感じました。

料理人と、批評家という軸で観てもいいし
父親と、息子という軸で観てもいいですね。
特に前者は、映画監督と映画評論家の関係性に言及しているようにも見えました。
批評家の一言で、行き場を失ってしまった映画人も居るのではないかと思います。
雇われ監督で"いつもの"を出すか
インディペンデントで作家性を出すか
で頭を抱える事って、料理人のみならず、所謂職人と呼ばれる専門職にはついて回る普遍的なテーマなのかも知れませんね。

作中では、トラックフードという形で独立する主人公ですが、最終的には批評家の投資によって雇われ料理長に返り咲きます。
今度は自身の追い求める料理を作る事が出来る場で。

作中で息子に言う台詞がありますね。「料理が上手くなったな。努力したからだ。」
凄く大事な事だと思いました。主人公も、徹夜で料理の研究を続ける勉強家です。彼は努力を続けるからこそ才能に恵まれ、最高の料理を作る事が出来るのでしょうね。

最後の展開だけが、少し急な気がしました。息子に対して「屋台を手伝ってくれ。稼ぎはお前の将来の学費にあてる」というシーンのすぐ後に店を任されるシーンが来たからでしょう。
主人公にとっては、冒頭の雇われ料理長とラストでは受け入れ方が違うのでしょうが、息子とのやり取りにしんみりしている観客からすると少し意表を突かれたような気分になるかもしれません。
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